被災して家族を失った、そのほか捨てられた犬の世話をするテレビ番組
母は、年齢が80歳で、高齢です。その時代に情報を得るのは、人との話以外に、新聞、ラジオ、少し時代が進んでテレビが出てきて、その後はテレビが圧倒的に情報を得る元として圧倒的な市場を持っていた。
今、令和の時代は、インターネットも発達してテレビもオワコンなんて言われるようになってきているが。ちなみに、オワコンというのは「終わったコンテンツ」という若者の言葉らしい。
今もなお、限られた日本のテレビ局のテレビ番組の中から、動物の面倒を看るようなものを観ていた。何でも、能登半島の地震による災害で迷子だか家族と離れ離れとなってしまい、主を失った一頭の犬が全身の毛を伸ばし放題などの状態で彷徨っている状態で発見された。
そういう犬の前身の毛や、爪を切ったりする姿を、若い有名人の男性が中心となって実施する姿を放送するというものです。
結果だけ見れば、彼らがやったことは素晴らしいことですし、尊いことだと思います。
ただ、ここで思考の整理といいますが、その姿をみていて疑問に思ったことも出てくるわけです。
いじわるで言う訳ではないのですが、今回は災害で、被災した犬ということは理解しているので、主は亡くなってしまった可能性も否定できません。その場合は今回のような結末になることは致し方ないとは感じます。
問題だと思うのは、そのテレビ番組では、捨てられた犬の面倒も同様に看ていることがあります。
人間の都合で捨てられた犬がいるのです。
まず、捨て犬の頭数について考えてみます。こういう分野では、環境省が担当しているようです。
環境省_統計資料 「犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況」 [動物の愛護と適切な管理] (env.go.jp)
過去、昭和49年からの統計からみると、随分殺処分(犬だけでなく猫も)は減少に推移しているので殺処分数だけみると、動物の命はだいぶ大事にされているように見えます。
ただ、それとは逆に、返還、譲渡数が増えていることがわかります。
コロナが急増し、緊急事態宣言等が発生していた時期に、一時ペットの売れ行きが増加したことがありましたが、飼い主の「思ったのと違う」などの理由により、手放された命も多数あったと推察されます。
「飼育放棄の約7割が“飼い主の高齢化”」「保護犬・猫を悪用したビジネスも」 ペットブームに潜む犬猫たちの現実(1/3 ページ) - ねとらぼ (itmedia.co.jp)
そもそも、コロナ禍でペットの売れ行きが増加したその理由は、どこにあったのか。
外出できないからペットで気を紛らわす、でも、ペットは、例えば犬であれば定期的な散歩などは必須です。怠れば病気になってしまいます。生き物ですので食費もかかるし、オシメの世話もしなければなりません。亡くなれば埋葬なども必要な場合もあるでしょう。
これは、どこに問題があったのか。
おそらく、その生き物を取り扱うペットショップやブリーダーにも問題があると思われます。
ペットを取り扱って売る側として、買う側の消費者に強く強調したのは、ペットがいることで得られるメリットだけを伝えているのだと思います。
ところが生き物を家族として受け入れる側の認識が甘いと、得られるメリットの裏にあるデメリットに気付く時には、多くの負担と感じてしまい、結果、先のような騒動につながるのかと推察されます。
では、そもそもどうして、このようにペットを購入して飼いきれない状態が発生してしまったのか。おそらく、「確証バイアス」という人間の特徴が起因している可能性が考えられます。
「確証バイアス」とは自分にとって都合のいい情報ばかりを無意識的に集めてしまい、反証する情報を無視してしまったり、集めよとしなかったりする傾向のことだそうです。
人間、誰にでもこういう性質はあります。
コロナ禍で大儲けをした人がいると聞きます。コピーライターだったり、ペットショップの方だったり、色々いますが、そういった人たちが人をうまく言葉で誘導した結果なのかも知れません。
そういう人たちが多ければ多いほど、世の中、大きな問題が起こると思われます。また、ペットを飼うにしても想像力を働かせて、確証バイアスに負けないようにきちんと状況を踏まえて判断をする、つまり、人は賢くならないといけないのだと思いますし、そういうことをきちんと連携したり、教えていくべきだと思われます。
こういった、ある意味、闇とも言える部分が深ければ深いほど、冒頭のテレビ番組もネタが尽きず、また、各方面でうまくやっていける人が大きな顔で立ち回れるのかも知れませんね。
ちなみに、私は少額ですが、毎月ピースわんこの活動を支援しています。